この狭い鳥籠の中で(サンホラの話)

ブログ的なやつ

何曲かあるんです。
前奏が流れてきた瞬間に正座してしまいそうになる曲が。
何も考える事が出来なくなって、ただ集中して聞いてしまう楽曲が。
そんな話。

あくまで個人的にですけど、Joelleさんの声が聞こえた瞬間に正座なんですよね。
なんでしょうか、あれだけブレスから世界観を作れるボーカルの人ってなかなかいないと思うんです。
やっぱり歌って歌詞に気持ちを乗せるから、ある程度演技力も同時に必要だと思うんだけど、そういう意味で言うならば、Sound Horizonのメンツは本当にしゅごい。
もう、すごいじゃなくてしゅごい。

個人的に、あとはNeinの「言えなかった言の葉」って言うのもすごい好き。
サンホラのすごい所って1曲の中で下手すると感情を喜怒哀楽全部網羅する所に関してはもう正直頭おかしいんじゃないかとしか言えない(褒め言葉
未だにDVDちょくちょく見ちゃうもんね、なんで喉からCD音源出るの?バカなの?みたいな。

さてさて。
ここから真面目な話なのですが。
私はこの狭い鳥籠の中でって曲がすごい好きなのです。
なんでかって言うととっても簡単で。

ある程度ファンタジーというものを演出する場合は制約が生じます。
ファンタジーの世界を演出するって言うのは「現実から離れようとする事」とほぼ一致するので、現実からせっかく離陸したのに、そこの中に現実を入れ込もうとすると、どんどんファンタジーが薄れる訳で。
夢を魅せる物語である以上、どうやって現実が見えないように仕込むかって言うのがめちゃくちゃ大事な訳ですよ。
出来る限り現実の思考と、その中にあるファンタジーを織り交ぜて現実との交差をさせるのは大切な事かもしれませんが、それをやりすぎると本当にただの超絶ファンタジーになってしまって、「うん」みたいになる訳です。
それこそドラえもんの映画見る度に「もしもBOXで何も起こらない世界にしろよ」とかいわれたら終わりじゃないですか。
そういう、ある程度色々なハードルの中でやらなきゃいけない訳で。

そうなると演者の表現もどうしてもファンタジーの中である程度制約がある中で、表現をしなきゃいけない訳ですよね。
だからやれる事も限られるし、自分が人生で得た経験値はあんまり役に立たない。
ファンタジーの世界の中で自分の演技を貫き通すって言うのはすごい難しい事だと個人的に思うんです。

ボイスコやってて魔法使いの役をやって、魔法を唱えた所でその魔法を唱えても、別に何も出ないし。
「この狭い鳥籠の中で」何が出来るかを考えて絞りだす。その中で楽しんで貰えるのはどういう演技なのか。などの答えをなんとか出さなきゃいけない。
そうやって考えた時に、本当にサンホラは毎回なんていうんでしょうね。満点みたいな仕事をしてくれる事が大半なので。
何か創作だったりアイディアを出さなきゃいけない!って時は大体何もしないで、サンホラをひたすら聞いて、何かしらヒントを得ようとする事が多いって。
制約の中で生まれたアイディアだからこそ、とんでもないヒントが色々な場所に隠されているかも知れない。なんてそんな話でございました。

最後に。
言えなかった言の葉の7:36秒からの空気がすごい好きで。
「好き」の2文字だけで曲の空気、演技の雰囲気などをすごい変えられるのを聞く度に。
演技まだまだ頑張らなきゃ!って思うんですけど。
声優さんとかで演技満足している人プロでもいないし、このジレンマは死ぬまで続く戦いなんでしょうね!

なんとしんどい趣味よ、これw